月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第60話 思いがけず生まれた想い

賑やかな音楽と掛け声が宴席の場を盛り上げている。桜太夫が座っているテーブルも大盛り上がり、というわけにはいかないが、とりあえずこの場を閉めることは見送られた。場の雰囲気はそれを許すものではなかった。 ナラさんが「すっかり、アオの十八番」と言…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第59話 秘めた想い

彼とは何度も会っている。信心深くなくても貴族家の人間であれば、最低でも年に一度は必ず教会を訪れ、神に祈りを捧げるものだ。それが辺境伯家という王国貴族の頂点に位置する貴族家となると、迎える教会の側もそれなりに礼儀を尽くす必要が出てくる。その…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第58話 知らないほうが良い秘密もある

アリシアには、ひとつ疑問に思っていることがあった。周囲の人たちのレグルスに対する評価に対する疑問だ。皆がレグルスは北方辺境伯家の落ちこぼれだと言う。だがアリシアにしてみれば、そのように評価される理由が分からない。実技授業では、確かに、もっ…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第57話 意外な事実が明らかになった

週末、いつもは行かない道場にレグルスは出掛けた。平日にフランセスとエリカと三人で美術館に行く為に、さぼった一日分を補填する為だ。これが出来ると思っているから、レグルスはフランセスと平日遊びに行くことを受け入れたのだ。 平日と同じ、三時間ほど…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第56話 学生らしいこと?、をしてみた

魔力は遺伝、持って生まれた才能が全て。一部の例外は認めていても、これがこの世界での常識となっている。貴族家の血には魔力が宿る。故に貴族は強大な力を持ち、それに相応しい権限が与えられている。世襲の正当性を、それに異議を唱える平民などいないが…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第55話 お仕事も頑張っています

王都郊外にある農地は、一握りの大農家の物。その何十倍もの農民は、その大農家に悪条件で雇われ、酷使されている。これがこれまでの常識だった。その常識が今、崩れようとしている。多くの人が気づかないままに。 最初は小さな、当事者たちにとっては命を賭…