月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第28話 垣間見える影

華やかなドレスを身にまとった女性たち。その彼女たちをエスコートする男性の装いも豪奢なものだ。王城で最も大きい広間を、さらにそれに繋がる庭園までも開放して行われているパーティー。王都で暮らす貴族だけでなく、王国中央部に領地を持つ貴族たちも招…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第27話 類は友を呼ぶ?

北方辺境伯家の王都屋敷。広大なその屋敷に置かれている家具はどれも一級品。ダイニングセット一つで、庶民であれば、何年も暮らしていける金額であったりする。貴族と平民、それもトップクラスの貴族家と平民の家では、その暮らしに大きな、という表現では…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第26話 少年は闇を纏う

悲しみを心の内に宿しながらも彼は前に進んでいる。進むしかないのだ。本来、彼の人生において苦難が始まるのは、まだ先のこと。今はその時に備えて、自分を鍛える時だ。実際には、その目的に対する意欲は以前よりも、かなり弱まっているが、自らを鍛えると…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第25話 残された者の努め

大切な家族。そう思える存在を失った彼だが、その日常は大きく変わらない。変わらな過ぎて、リキなどは、逆に心配になるくらいだ。 朝早くから郊外に出て、走って開墾場所に向かう。開墾と鍛錬を兼ねた作業を行って、午前中の大半を過ごす。その中にはリキ、…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第24話 光が去れば残るは闇

もう何度通ったか数えきれなくなったくらい通い慣れた道。その道を彼は速足で歩いている。本当は駆け出してしまいたいのだが、それを行っては不安が現実のものになってしまうような気がして、逸る気持ちを抑え込んでいるのだ。何もない。あっても、せいぜい…

SRPGアルデバラン王国動乱記~改~ 第23話 主人公として、女の子としての選択

遂にこの時がやってきた。両親から話を聞かされた彼女の心に浮かんだのは、この思いだ。この段階で説明されたのは養女になることだけなのだが、それでも彼女はこう思う。自分が貴族の養女になることを、彼女は知っていたのだ。養女になるだけでなく、名も変…