月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

霊魔血戦 第41話 ようやく恵まれた環境になったのに……

襲撃事件はレンブラント教官の私怨によるもの。以前からクラリスに想いを寄せていたレンブラント教官が、彼女の気持ちがサーベラスに向いたことを知って、異常な嫉妬心を燃やして企んだこと。悪霊に取りつかれているなどという荒唐無稽な作り話は、クラリス…

霊魔血戦 第40話 二人の時が交差する

サーベラスが守護兵士養成所に戻ったのは、襲撃を受けてから三日後。無駄な時間を作ることなく最短での、といってもクリフォードが足手まといになってサーベラスが考えていたよりも一日多くなってしまったが、帰還だ。そうしたのは、自分への疑いを少しでも…

霊魔血戦 第39話 生まれてきてしまったこと

圧倒的な力。これを見せつけられたのは三度目のことだ。だが、今回の衝撃は過去二回のそれとは比べものにならない。クリフォードが想像できる範囲を超えていた。 霊力の強弱が全てであるはずの守護戦士。ではその霊力が、少なくとも防御という点では通用しな…

霊魔血戦 第38話 奥の手というわけではないのです

行軍訓練の初日。クリフォードと話をしたあと、ルーは少し不機嫌そうなサーベラスから「覚悟を決める必要があるかもしれない」と伝えられた。ただ伝えられたのはそれだけ。何に対しての覚悟なのかと何度尋ねても、「その時になれば分かる」としかサーベラス…

霊魔血戦 第37話 イライラがおさまらない

時々、作業場に通って行軍訓練の準備を行う以外は、それまでと変わらず鍛錬ばかりの毎日を過ごしてきたサーベラス。その間にクラリス以外のチームメンバーの態度まで変化し、ルーはさらに落ち込んでしまうのだが、サーベラスのほうはまったく気にする様子を…

第36話 常に備えは怠りません

変化を敏感に感じ取ったのはサーベラスではなく、ルーのほうだ。他人の感情が理解出来ないくせに、その動きに対しては人一倍敏感であるはずのサーベラスでさえ気づけなかった、ちょっとした変化。ルーがそれに気づけたのは、過去に同じ経験をしていたからだ…