月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

黒き狼たちの戦記 第95話 受け継いだもの

反乱側の計画はディアークたちの奮戦によって狂い始めている。各所に配置されていた部隊は、予定通りにディアークたちを仕留めきることが出来ず、彼らを追って城内を駆け回っている。戦いによる死傷者もかなりの数だ。 時間の経過と人数の減少は、この先の計…

黒き狼たちの戦記 第94話 自分にはない未来に想いを繋げるということ

争乱の響きは城内全体に、やがて王都シャインフォハン全体に広がっていくことになる。だがそれはまだもう少し後のこと。今はまだ城での出来事は王都の人々には届いていない。何も知らないまま、感謝祭期間を迎えた人々は家族団らんの時間を過ごしている。そ…

黒き狼たちの戦記 第93話 逃げるが勝ち、とも言うけど

アルカナ傭兵団の将来に暗い影が落ちていることをディアークは知っていた。トゥナの未来視がそれを教えてくれていた。そうでありながら、この様な事態を招いてしまったのは、ディアークの迂闊さのせい。確かにそうかもしれない。だが、誰がそれを責めるのか…

黒き狼たちの戦記 第92話 未来を覆う影

両親の顔はよく覚えていない。幼くして亡くしたというわけではない。両親と暮らしていた記憶はある。ただ、窓一つない昼でも暗い部屋の中から、外の光を背にした人の顔はよく見えなかったというだけのことだ。実際はそれだけではないのだが、ルイーサはそう…

黒き狼たちの戦記 第91話 番狂わせとは言わせない

上級騎士最後の登場は第二シードのルイーサ。対戦相手はクローヴィスだった。ここまでなんとか勝ち上がってこられたクローヴィスにとって、この対戦が最後の腕試しの機会。それを理解していたルイーサも、彼の実力を確かめるような戦い方を行った。それなり…

黒き狼たちの戦記 第90話 ダイジェストでお送り……された

武術競技会が始まった。大会はトーナメント方式。アルカナ傭兵団幹部であるアーテルハイドとルイーサは自動的に第一シードと第二シードという位置づけになり、決勝戦まで当たらない振り分けになっている。残る上級騎士の三人、シュバルツとジギワルド、ベル…