月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

黒き狼たちの戦記 第89話 真犯人を追え……?

各地に散っていたチームが全て帰還。申し込みが締め切られ、武術競技会の参加者が確定した。参加者数は過去最大。一方で上級騎士の参加は予定外の少なさとなった。開催決定時から参加が確定していたシュバルツとアーテルハイド、そしてルイーサ以外では、ジ…

黒き狼たちの戦記 第88話 波乱を前にした束の間の平穏

感謝祭期間に入って、最前線に張り付いていたチームのメンバーたちも帰還してきている。常に緊張を強いられている団員たちにとっては、年に一度、訪れる安息の日々。家族を持つ人たちにとっては団らんの日々だ。 セーレンの父であるテレルも久しぶりの家族団…

黒き狼たちの戦記 第87話 隠れていた事実が少しずつ明らかになる

愚者のメンバーは相変わらず鍛錬ばかりの毎日。朝早くから本部の訓練場に集まって、体力作りや剣の素振り、型稽古などの基礎訓練。昼食を食堂で済ませると、今度は屋敷に戻っての鍛錬だ。対戦するか分からない相手の弱点をいちいち探るつもりはないが、探ら…

黒き狼たちの戦記 第86話 繋がりを持つということ

いつもであれば様々な事柄についての議論が交わされているか、仕事とはまったく関係のない私的な会話で盛り上がっている執務室に今は、重苦しい空気が漂っている。部屋にいるのがディアークと普段から無口なトゥナの二人だけであるから、というわけではない…

黒き狼たちの戦記 第85話 人は変わる。それを知らないわけではないけれど……

ベルクムント王国の状況は悪化している。ただそれに気が付いているのは、まだ極限られた人たちだけ。国政に関われるような立場にある人たちだけだ。アルカナ傭兵団との戦いでの連敗が原因ではない。国王が引き起こす粛清の嵐が、さらにその激しさを増してい…

黒き狼たちの戦記 第84話 将来の可能性はひとつではない

対抗戦の開催が正式に発表された。名称は武術競技会で開催は感謝祭期間中。多くの団員に参加の機会を与える為に、前線に張り付いているチームも帰還出来る、その時期が選ばれたのだ。開催までは残り二か月。参加を迷っている人はまだ多いが、それに関係なく…