ローゼンガルテン王国との国境にある城砦。スヴェーア王国はその場所に自国軍を詰め込めるだけ詰め込んだ。数が多ければ多いだけ守るのは容易になる、というわけでもないのだが、そうしないではいられなかったのだ。 今、国境に近づいてきている敵軍は魔人の…
投石機の攻撃を受けて以後、偵察部隊と思われる敵軍以外とは遭遇することなくブルーメンリッターは最初の目的地であるブラオリーリエに辿り着いた。それに対する達成感は皆無。期待していた味方がいるどころか、ブラオリーリエはその原型をとどめてもいなか…
第 元王国騎士団副団長であったワルターとその部下たちが駐留している拠点を出て、川沿いに北へ進む。エカードたちは二日で次の拠点に辿り着いた。その拠点は一泊しただけで、すぐに出発。二日の行軍では疲れがたまっていない、だけでなく、案内役を得ること…
人の嫉妬を買うほどの美人ではない。特別醜いわけでもない。並み、普通、あえてランクをつけるなら、遠慮して中の下。そんなところだ。他の女子と違っているところがあるとすれば、少し胸が大きいこと。それくらいだった。 どこにでもいるクラスの目立たない…
グラスルーツを出て、西に向かう。川に行く手を阻まれたところで北上。目的地の拠点はその川沿いにあった。そこまでの移動では、何の問題も起こらなかった。敵に襲われるどころか、その姿を見かけることもない。途中にあった小さな農村では、穏やかな日常を…
屋敷を得たあと、色々と変化のあった生活もようやく落ち着いてきた。一日の予定がほぼ固まったのだ。午前中は以前と同じく傭兵団の屋外鍛錬場に行って、体力づくり。走り込みなどは屋敷では出来ないというのが理由だ。昼はエマが作った食事を、というヴォル…