月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

異伝ブルーメンリッター戦記 第120話 不幸中の希望

旧リリエンベルグ公国領グラスルーツから北に伸びる街道を真っ直ぐに三日ほど進み、そこから西進すると南西部の山岳地帯から流れ出てきた川に行く手を阻まれることになる。かつてかかっていた橋は跡形もなく壊されていて、対岸に向かおうと思えば、比較的水…

黒き狼たちの戦記 第51話 新居を手に入れました

パラストブルク王国のゴードン将軍は近頃、ご機嫌だ。ベルクムント王国との戦いでパラストブルク王国軍は、他国を圧倒する活躍を見せたノートメアシュトラーセ王国以外では唯一、論功行賞において上位の評価を得ている。ゴードン将軍にとっても想像を遥かに…

黒き狼たちの戦記 第50話 戦いの結果、得られたものは

ベルクムント王国との戦争における論功行賞で、育ての親であるギルベアトが使っていた屋敷を手に入れたヴォルフリック。それは行動の自由を手に入れたのと同じだ。当たり前だが、ギルベアトの屋敷はアルカナ傭兵団施設の外にある。自動的にヴォルフリックは…

異伝ブルーメンリッター戦記 第119話 それぞれの役割

三勢力がそれぞれの出方を探り合い、膠着状態に陥る。旧リリエンベルグ公国領内の戦いがそのような様相を見せることを期待していたジグルスであるが、そう都合良くはいかなかった。魔王ヨルムンガンドが自軍を積極的に動かし、攻勢に出てきたのだ。無謀な試…

異伝ブルーメンリッター戦記 第118話 一歩も二歩も遅れている人たち

ローゼンガルテン王国の状況はわずかではあるが好転した。旧リリエンベルグ公国領内の戦況の変化がそれをもたらしたのだ。軍の大半を失ったヨルムンガンドは戦線の縮小を決断。支配地域を十分に確保出来ていないキルシュバオム公国領とラヴェンデル公国領に…

異伝ブルーメンリッター戦記 第117話 一足早い変革の時

群雄割拠、するには旧リリエンベルグ公国領は狭すぎる。各勢力はそれほど小さいものではない。だが旧リリエンベルグ公国領の今の状況を表現しようと思えば、やはり群雄割拠という言葉が一番適しているだろう。もしくは、たんに割拠していると表現するか。 と…