月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

黒き狼たちの戦記 第30話 お父様と初めて会った

ノートメアシュトラーセ王国に戻ったヴォルフリックたちは鍛錬ばかりの毎日を過ごしている。新たな任務が与えられる気配はない。それは他の部隊も同じだ。 あとひと月もすれば感謝祭。ノートメアシュトラーセ王国だけでなく、大陸全土が休暇に入る。それは戦…

黒き狼たちの戦記 第29話 次の、そして本当の戦いの為に

パラストブルク王国の王都。東門から城に伸びる大通りの両側には住人たちが並んでいる。反乱鎮圧を終えて王都に帰還する討伐軍を迎える為だ。だがその表情は決して明るいものではない。国に命じられて駆り出されてきたものの、心から反乱鎮圧の成功を喜んで…

黒き狼たちの戦記 第28話 納得がいかない終わらせ方

討伐軍の陣地。そこから王都がある方角、西に少し戻ったところで街道を逸れると青々と木々が生い茂った森がある。その森の中。小さな灯りを囲んで、ヴォルフリックは報告を聞いていた。 報告しているのはビトー。彼は王都での必要な情報収集を終えて、ヴォル…

黒き狼たちの戦記 第27話 火は水に弱いってのは間違い

ゴードン将軍が軍を率いて進発する前に、ヴォルフリックたちはナイトハルト男爵領に向かっている。ニコラオスにこれまでの戦いについての詳細を聞きたいというのが、先発した理由だが、それは口実に過ぎない。ゴードン将軍と長く一緒にいたくないというのが…

黒き狼たちの戦記 第26話 始まりの時を思う

アルカナ傭兵団が最後の交渉として城を訪れてから、すでに二週間。検討の余地があることを感じさせたはずの相手からは、何の連絡もない。ローデリカの側もすでに提示された条件から相手が譲ることがなかった場合に備えて、色々と検討しなければならないのだ…

黒き狼たちの戦記 第25話 反乱の首謀者って大変そうだ

ヴォルフリックは一人で城に向かった。ブランドは街の中で待機。ヴォルフリックに何かあった時に対処する役目。アインはこの街を出て、王都に向かっている。王都で情報を集める為だ。城内の様子を探ることは難しいが街の世間話からでも得られるものはある。…