月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

黒き狼たちの戦記 第1話 解き放たれた運命

三百年ほど前までは、存在する全ての国の名前どころか数でさえも正確に把握している人は誰もいなかったであろうランデマイスター大陸も、長い争いの時を経て、大陸で暮らす多くの人々が国名を覚えられるくらいまでにまとまってきている。それだけ沢山の国が…

逢魔が時に龍が舞う 第45話 事の終わり、事の始まり

富士山の噴火とともに関東地方を襲った地震。その地震が引き起こした津波は、前回の震災からの復興も途上であった旧都湾岸地区を再び無に帰した。それだけではない。前回の震災では被害に遭わなかった地区まで、今回は押し流されている。環状七号線内はほぼ…

逢魔が時に龍が舞う 第44話 別れの時

照明の灯りに照らされた黒い巨体。多くの人々が、子供はまた異なるだろうが、想像する鬼(おに)そのものの姿をしたそれは、圧倒的な力を持っていた。精霊力云々の問題とは思えない。ただ力が強いのだ。 特殊戦術部隊の能力者たちの攻撃を手で弾き飛ばし、そ…

逢魔が時に龍が舞う 第43話 開門

鬼化した者たちが暴れ始めた。それを止めようとしている特殊戦術部隊と寝返り組。あちこちで始まった戦い。戦場に喧騒が広がっていく。 そんな中。戦場の中心では月子たちが尊と向かい合っていた。静寂の闇に包まれた空間。それは月子が作り出した世界。特殊…

逢魔が時に龍が舞う 第42話 最恐の鬼

夜空に浮かぶ三機のヘリコプター。特殊戦術部隊配備のヘリコプターだ。尊が現れると確信していた朔夜は、万全な体勢を整えて、この戦いに臨んでいた。このヘリコプターはその中でもとっておきだ。従来の第七七四特務部隊に配備されていた移動用のヘリとは違…

勇者の影で生まれた英雄 #165 気付けない人

すぐにウェヌス王国も知ることになるが、エステスト城塞を放棄したゼクソン王国駐留軍は自国に戻ったのではない。エステスト城塞を出てゼクソン王国とは反対の西に少し移動、そこから南下して、ルート帝国が新たに構築した砦に移動していた。開戦に向けて配…