月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

逢魔が時に龍が舞う 第43話 開門

鬼化した者たちが暴れ始めた。それを止めようとしている特殊戦術部隊と寝返り組。あちこちで始まった戦い。戦場に喧騒が広がっていく。 そんな中。戦場の中心では月子たちが尊と向かい合っていた。静寂の闇に包まれた空間。それは月子が作り出した世界。特殊…

逢魔が時に龍が舞う 第42話 最恐の鬼

夜空に浮かぶ三機のヘリコプター。特殊戦術部隊配備のヘリコプターだ。尊が現れると確信していた朔夜は、万全な体勢を整えて、この戦いに臨んでいた。このヘリコプターはその中でもとっておきだ。従来の第七七四特務部隊に配備されていた移動用のヘリとは違…

勇者の影で生まれた英雄 #165 気付けない人

すぐにウェヌス王国も知ることになるが、エステスト城塞を放棄したゼクソン王国駐留軍は自国に戻ったのではない。エステスト城塞を出てゼクソン王国とは反対の西に少し移動、そこから南下して、ルート帝国が新たに構築した砦に移動していた。開戦に向けて配…

逢魔が時に龍が舞う 第41話 嘘

宙に伸びる光の尾。それは特殊戦術部隊員の攻撃を防ぎ、隊員の体を貫く。九尾は精霊力を見事に操って、攻撃と防御を同時に行ってみせている。九尾が守っているのは自らの体だけではない。光の尾を前後左右に広げ、仲間への攻撃も防いでいる。どちらかという…

勇者の影で生まれた英雄 #164 失ったものの大きさ

モンタナ王国の玉座を狙う王弟。ウェヌス王国を味方につけて、圧倒的に有利な状況であったのだが、ここにきて一気に雲行きが怪しくなってきた。王弟派と呼ばれる味方の結束が大いに揺らいでいるのだ。 南部に領地を持つ貴族家はまだ良い。南部は王弟派の支配…

逢魔が時に龍が舞う 第40話 真実

夜空に浮かんでいるのは上弦の月。ただ、湖面を揺らしている生暖かい風が、雲も運んできて月を隠してしまう。時折、途切れた雲の間から姿を見せることもあるが、それはわずかな間。雨の気配はないものの、夜空の多くは雲に覆われていて、月や星を楽しむこと…