エイトフォリウム帝国との開戦をエドワード王は決断した。まだ公式な決定にはなっていないが、その決断は城内で働く人々にはすぐに広まっていった。公式に決定する前にも色々と準備は必要だ。各部署には新たな戦争が始まることが、それがエイトフォリウム帝…
逃走した尊の捜索は、ずっと続けられている。富士の樹海の上空には、常にヘリが飛び続け、地上では特殊戦術部隊の装甲車が走り回っている。だが尊の足取りは、逃走したその日から、全く掴めていない。捜索部隊の目、だけでなく、ありとあらゆる探知装置から…
桜木学園の園内にある寮、とされている特務部隊員の宿舎であるその場所は今、かなり人気が少なくなっている。強化鍛錬中の特務部隊員は、精霊科学研究所に留まっている為、残っているのは入隊前の候補生、そして尊と天宮だけなのだ。 候補生たちにとっては、…
モンタナ王国における戦況が大きく動き始めた。事を急いでいたエドワード王にとっては喜ばしい報告であったのだが、詳細を知るにつれて、徐々に気持ちは暗くなっていった。銀鷹傭兵団の存在がモンタナ王国の人たちに知られてしまった。百歩譲って、まだそれ…
クリスティーナ王女を旗頭にした第三勢力。それに脅威を覚えているのは王弟よりもモンタナ国王だ。国王にとってはまさかの事態。謀略の道具として使い捨てるはずが、クリスティーナ王女はそれを利用して、まだ小さいとはいえ、自勢力を作り上げてしまった。…
モンタナ王国東部の街ニュールンでの戦いは大混戦の末、銀狼傭兵団の勝利という形で決着した。王弟派も国王軍も相手の不意を突くつもりでいたところに、想定になかった第三勢力から奇襲を受けて大混乱。その混乱から立ち直ることが出来ないままに三つ巴の戦…