月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

勇者の影で生まれた英雄 #142 見えないもの、見えていなかったもの

当面、実戦の予定はなかったはずの義勇軍。だが国からもたらされた情報がその予定を変えることになった。ハムスの街からそう遠くない位置にある村が、頻繁に盗賊の襲撃を受けているという情報だ。それを受けたクリスティーナ王女は討伐に出ることを決断した…

勇者の影で生まれた英雄 #141 探り合い

モンタナ王国内で国王派と王弟派の戦いが始まった。そうはいってもまだ局地戦。領地を並べている双方の派閥に属する貴族家が衝突したのだ。その衝突が全国に広がる気配は、今のところは、強くない。旗幟を鮮明にしていない貴族家はまだまだ多い。国王派はそ…

勇者の影で生まれた英雄 #140 予想通り?の展開

グレンたち銀狼傭兵団はモンタナ王国王女クリスティーナ率いる義勇軍に残ることにした。複雑な立場であるクリスティーナの軍にいることは、無駄な厄介事に巻き込まれる可能性がある。だが今現在それは可能性であり、問題が顕在化しているわけではない。なに…

勇者の影で生まれた英雄 #139 エドワード王の焦り

戦争の噂が王都内で広がっている。相手がどこかなど具体的な情報はない。出撃の時が近いようだというだけの漠然とした噂だ。それは仕方がない。噂を流した人たちが、それ以上のことを知らないのだから。噂の出所はトリプルテン、を教えている教官たち。軍事…

勇者の影で生まれた英雄 #138 目的は違っても

第三軍の訓練場に活気が溢れている、というのは大袈裟だ。全体としては普段と変わらぬ熱意で兵士たちは訓練に取り組んでいる。それはそれで活気があるというべきだが、それを遙かに超える熱意ある訓練を行っている部隊がある。第十大隊第十中隊第十小隊、ト…

勇者の影で生まれた英雄 #137 揺れる気持ち

モンタナ王国侵攻の準備。それは今のところ順調とは言えない。ウェヌス王国が望むよりも早く、事が動き始めているのだ。 モンタナ王国内の戦気は高まっている。国王と王弟の戦いはいつ始まってもおかしくない状態だ。それに合わせて王弟を支援する軍勢を送ら…