グランフラム王国軍による追撃で、グレートアレクサンドロス帝国軍の混乱は激しさを増し、完全に戦うどころではなくなってしまった。兵士の混乱を治めるべき指揮官の大半が、すでに逃げ出してしまっている事が大きかった。 グレートアレクサンドロス帝国軍に…
城壁の上から西を望むとグレートアレクサンドロス帝国軍の姿が見える。遂にカマークに到着したのだ。 まずは陣地を固めようとところなのだろう。その場から近づいてくる事はなく、何やら慌ただしく動いている様子が見える。 この距離でもすでに大砲の射程内…
初戦を、ほぼ完敗という結果に終わったグランフラム王国ではあったが、グレートアレクサンドロス帝国軍がすぐに侵攻を開始しなかったおかげで、どうにか軍を立て直す事が出来た。 バンドゥが四方を山に囲まれていた事も幸いだった。兵士は逃げたくても逃げる…
マリアにとってグランフラム王国との戦いは、決して負けられない戦いになる。ここで負けるような事態になれば、自身の軍部への影響力は失われる事となり、それが帝国全体への影響力の低下に繋がる事はマリアにも分かっている。 皇后としてただ奥にいるだけの…
まさかのメリカ王国侵攻作戦の失敗に、グレートアレクサンドロス帝国は浮足立った。先行軍として送り込んだ二万のうち帰還出来たのは、わずか四割に過ぎない。銃や大砲は全て戦場に放棄され、その損失もかなりのものだった。 すぐに後続軍を送り再侵攻を図ろ…
グランフラム王国にグレートアレクサンドロス帝国の使者が現れた。用件は聞くまでもなく分かっている。降伏勧告の使者だ。 追い返しても良いのではないかという意見もあったが、アーノルドは話だけは聞くことにした。降伏勧告を受け入れる余地があるという事…