まさかのメリカ王国侵攻作戦の失敗に、グレートアレクサンドロス帝国は浮足立った。先行軍として送り込んだ二万のうち帰還出来たのは、わずか四割に過ぎない。銃や大砲は全て戦場に放棄され、その損失もかなりのものだった。 すぐに後続軍を送り再侵攻を図ろ…
グランフラム王国にグレートアレクサンドロス帝国の使者が現れた。用件は聞くまでもなく分かっている。降伏勧告の使者だ。 追い返しても良いのではないかという意見もあったが、アーノルドは話だけは聞くことにした。降伏勧告を受け入れる余地があるという事…
ファティラース王国が消失した事でグレートアレクサンドロス帝国は、旧グランフラム王国領のほぼ全てを手にした事になる。バンドゥとその周辺が残っているが、旧グランフラム王国領全体で見れば辺境のわずかな土地に過ぎない。グレートアレクサンドロス帝国…
バンドゥ南部の領境は、今はファティラース王国との国境だ。その国境の砦で両国の交渉が行われていた。同盟交渉という名目で始まった交渉ではあるが、今では中身が変わっている。ファティラース王国は領地の支配力を失いかけていて、国としての体を成さなく…
北部、旧ウィンヒール王国領に侵攻するだけの軍勢は今のグランフラム王国にはいない。領土拡大の機会ではあるが、それは諦めざるを得ない。その上でアーノルドは何か出来ないかを考えた。国の為ではなく民の為に。その結果、思い付いたのは。 「……北部に物資…
帝都防衛戦において多くの犠牲を出したグレートアレクサンドロス帝国は、軍の再建に専念しており、軍事行動を控えている。ただその期間は、グランフラム王国が考えているよりも、遥かに短くなるはずだ。 帝国における軍の再建とは戦いで失った銃火器、そして…