月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

悪役令嬢に恋をして 第74話 揺れる気持ち、変わらぬ気持ち

リオンが去った後の謁見の間は、国王夫妻がその場に居るにも関わらず、大騒ぎになった。行方不明だった王族が見つかった。しかも王女ではなく王子であったとなれば、騒がずには居られない。これがリオンでなければ、この場に居る者たちも、もう少し落ち着い…

悪役令嬢に恋をして 第73話 明らかになった真実

グランフラム王城の謁見の間は、異様な雰囲気に包まれている。反乱を噂されていたリオンが、近衛騎士団長を派遣するという異例な対応の甲斐があって、ようやく召喚に応じて王都にやってきたのだ。しかも、国王と王妃が揃って謁見するという、厚遇とも受け取…

悪役令嬢に恋をして 第72話 隠れている真実

カマークの城の会議室。到着してすぐに近衛騎士団長は、そこに通された。一息付く前も与えられない慌ただしさだが、近衛騎士団長にも文句はない。事態の収拾を急ぎたいのは、近衛騎士団長の方なのだ。 通された会議室には、極限られた人数だけが集められてい…

悪役令嬢に恋をして 第71話 収束に向けて動き出す者たち

リオンはグランフラム王国どころか、その周辺国においても注目の的となっている。先の戦いで、単独でメリカ王国に攻め入って、戦女神とも呼ばれているオリビア王女を捕虜にするという大功をあげた。それだけで驚きなのに、自国に戻るとすぐに反乱を疑われる…

四季は大地を駆け巡る #118 運命の巡り合わせ

目の前に広がる平原。そこに数千の兵が陣取っている。それを高台にある本営から眺めているレンベルク皇帝は、自然と自分の気持ちが高揚していくのを感じていた。いくつもの部族を押さえ、帝国として一つにまとめ上げたのは皇帝自身の武である。武人である皇…

四季は大地を駆け巡る #117 レンベルク帝国

大陸西部のユーロン双王国で万の軍勢が集まっての戦いが行われてから数ヶ月後。その反対側である大陸の東部で、他国に知られることのない小さな戦闘が始まろうとしていた。 東側に陣を構えているのは、レンベルク帝国八方将の一人であるゼムが率いる三千を先…