月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

悪役令嬢に恋をして 第71話 収束に向けて動き出す者たち

リオンはグランフラム王国どころか、その周辺国においても注目の的となっている。先の戦いで、単独でメリカ王国に攻め入って、戦女神とも呼ばれているオリビア王女を捕虜にするという大功をあげた。それだけで驚きなのに、自国に戻るとすぐに反乱を疑われる…

四季は大地を駆け巡る #118 運命の巡り合わせ

目の前に広がる平原。そこに数千の兵が陣取っている。それを高台にある本営から眺めているレンベルク皇帝は、自然と自分の気持ちが高揚していくのを感じていた。いくつもの部族を押さえ、帝国として一つにまとめ上げたのは皇帝自身の武である。武人である皇…

四季は大地を駆け巡る #117 レンベルク帝国

大陸西部のユーロン双王国で万の軍勢が集まっての戦いが行われてから数ヶ月後。その反対側である大陸の東部で、他国に知られることのない小さな戦闘が始まろうとしていた。 東側に陣を構えているのは、レンベルク帝国八方将の一人であるゼムが率いる三千を先…

四季は大地を駆け巡る #116 大国を覆う影

ユーロン双王国に遠征していたパルス王国軍は大混乱に陥った。 いよいよ決戦の日。そう思って陣を整えて、開戦を待っていたのだが、いつまで経っても戦いが始まらない。次兄王の元に開戦を促す使者を送っても、何の返答もないどころか送った使者も戻ってこな…

四季は大地を駆け巡る #114 混乱は続く

アイントラハト王国王城内の執務室で、机の上に山と積まれている書類を処理し続けていたヒューガ。その手が止まり、視線が前を向く。 このところ毎日のようにヒューガの執務室を訪れて、その場に居座り続けている女性。勝手に正面に椅子を置き、それに座って…

四季は大地を駆け巡る #113 謀略の後始末

一万の軍勢に囲まれたユーロン双王国の末弟王ネロの館。館の主であったネロはすでにこの世の人ではなくなっているが、次兄王はそれで終わりにはしなかった。 館の周囲を取り囲んだ軍勢から放たれた火矢。あちこちで炎が立ち上り、黒煙が空を曇らせる。火事か…