月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

四季は大地を駆け巡る #87 見えていない国の未来

早朝の鍛錬を終えて、ヒューガはいつもの会議室に向かう。会議の参加者はエアルとカルポとグラン、それにギゼンとタムも参加することになっている。 急いで向かったつもりだったのだが、ヒューガが会議室に着いた時には、すでに全員が揃っていた。今日から新…

逢魔が時に龍が舞う 第16話 敵味方

尊たちは精霊科学研究所を出て、帰路についた。すっかり日は暮れている。樹海の間を縫うように走る暗い夜道を尊たちが乗った装甲車は進んでいた。 車内の雰囲気は複雑だ。尊は珍しく顔に笑みを浮かべている。妹の桜に会えた嬉しさがまだ残っているのだ。 そ…

四季は大地を駆け巡る #86 叶えられた約束

ヒューガは気を失った夏と冬樹の二人が用意していた部屋に運ばれたのを確認した後、バーバが待っている部屋に向かった。 待っていたのはバーバとギゼン、ともうひとりはタム。顔を知っているだけでヒューガは話したことがない。バーバが必要だと考えて同席さ…

四季は大地を駆け巡る #85 合流

パルス王国の王城よりも一層古めかしい雰囲気のこの場所は、かつてエルフの国の城だった。今その城の主はエルフではなく、異世界からやってきた人間。 初めて見るドュンケルハイト大森林はとても美しかった。とてもこの世界で最も危険な場所と言われていると…

逢魔が時に龍が舞う 第15話 死者との出会い

精霊科学研究所は富士山のふもとに広がる樹海の中にある。樹海の中を走る道路から少し奥に入ったところ。高い木々に囲まれた五階建ての雑居ビルのような建物だ。もちろんそれは偽装で本当の精霊研究所はその建物の地下深くにある。 建物の中に入って、どこに…

四季は大地を駆け巡る #84 過小評価、過大評価

会議室にイーストエンド侯爵家の主だった者たちが集まっている。定期的に開催されている全体会議の為であるが、今日の主要議題はいつもとは違う。 同時に現れた盗賊手段のこと、そして忽然と消えてしまったヒューガの仲間たちに関する調査報告がメインだ。 …