月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

悪役令嬢に恋をして #37 領主としての初めてのお仕事

城代であるカシスに領政を見るに必要な情報の収集を命じたリオンだったが、案の定、望む情報はすぐには集まらなかった。バンドゥには文官と呼べる者が、見事に一人もいなかったのだ。 バンドゥの文官は全て中央から派遣された役人が担っていた。その役人たち…

勇者の影で生まれた英雄 #78 止まらない歩み

グレンの行動は止まらない。それはローズでさえ呆れるほどの動きだった。 ストーケンドから離れた山中。周りを銀狼兵団に囲まれて、跪いて震えている大勢の盗賊たちに向かって、グレンは厳しい視線を向けていた。 「さて、お前らの選択肢は二つだ。俺に従う…

悪役令嬢に恋をして #36 詐欺にあった気分

領地へ向かう旅も一ヶ月になる。結構な長旅ではあるが、王都周辺しか知らないリオンとエアリエルの二人にとっては、見るもの全てが目新しく、毎日が退屈しない楽しい日々だった。ましてこの旅は、この世界にはない習慣ではあるが、新婚旅行だ。何をしていて…

勇者の影で生まれた英雄 #77 復興への歩み

しばらくは戦争の疲れを癒す為に体を休めて。ハーバードにこう言われたグレンだったが、そもそも彼にそういう習慣はない。時間があれば鍛錬や勉強に費やし、寝る時間以外は何もしないという時を持つことなど出来ないのだ。 それでも何もすることなく一晩だけ…

勇者の影で生まれた英雄 #76 新天地

ゼクソン国王と約束した物資は、半月もしないうちにエステスト城塞に届いた。ウェヌス王国との戦いの為に用意され、前線に近い猛牛兵団駐屯地に置かれていたものを運んできたのだ。 城塞まで物資を運んできたのはゼークト将軍率いる猛虎兵団だった。猛虎兵団…

異伝ブルーメンリッター戦記 #90 そして物語は破綻の時を迎えた

カロリーネ王女を乗せた馬車は街道を西へと進んでいる。ローゼンガルテン王国の王女である彼女が乗るには相応しくない、行商人が使用するような粗末な馬車だ。さらに乗っている彼女の服装も町娘が着るような粗末、というのはカロリーネ王女が普段着ている服…

勇者の影で生まれた英雄 #75 英雄色を好む

「何故、分かったのですか?」 ゼクソン国王とヴィクトリア殿下が同一人物であることを認める問いに納得顔のグレン。ただ、この件については、まだはっきりさせていないことがある。 「陛下」 「この姿でそう呼ばれるのは」 「……変な拘りですね。では、ヴィ…

異伝ブルーメンリッター戦記 #89 それぞれがそれぞれの新しい物語の役割を演じ始めた

ジグルスが率いる勢力、アイネマンシャフト王国の参戦はリリエンベルク公国における戦いを複雑にした。といってもそれを仕掛けたジグルスにとっては当然、複雑なんてことはなく、かつリリエンベルク公国軍は、それを率いるリーゼロッテが新たに参戦してきた…

勇者の影で生まれた英雄 #74 再交渉

ウェヌス王国との間に交渉の余地はない。そうなれば、ゼクソン王国にエステスト城塞を引き渡して次の行動に移る、という風にはならないのがグレンのしぶとさだ。 トルーマン前元帥との交渉を終えてからの数日間、グレンは周りから見れば、惚けているように見…

異伝ブルーメンリッター戦記 #88 新たな物語の結末はまだ決まっていない

ブラオリーリエの戦いは、苦しい状況ながらも何とかリリエンベルク公国軍が持ちこたえているという状況だ。リーゼロッテの強力な魔道具も含めたリリエンベルク公国軍の遠距離攻撃による犠牲を恐れて、魔人軍側が慎重に動いているという点も戦いが長引いてい…

【お知らせ】魔王の器のコミック が12月26日に発売されます!

こんばんは(こんにちは)月野文人です。 コンプエースで連載されていた『魔王の器』のコミックが12月26日に発売されます。 こんな感じです。 少年の意志が運命を揺り動かすーー!! 劣等生と侮られた日々から努力を重ねてきた少年カムイは、国の改革を虎視眈…

勇者の影で生まれた英雄 #73 再会

エステスト城砦に銀狼兵団が籠って三か月以上が経つ。状況はグレンの望む通りには進んでいない。進んでいるのは、予想通りの方向だ。 勇者軍はあれ以来、全く姿を現さない。そしてゼクソン軍の方も。 「いい加減に城砦を引き渡したらどうだ?」 「それが出来…