月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

更新!「月の文庫ブログ」掲載小説一覧

月の文庫ブログにて掲載している小説の一覧です。話数が増えてくると、ブログ形式では第一話を探すのが面倒かと思って、このページを用意してみました。 ※2019年11月20日「全話一覧」へのリンク追加 少しずつですが掲載小説は増やしていきたいと思っています…

災厄の神の落し子 第66話 失態

油断。今の状況に陥った原因は何かと問われれば、この言葉が思い浮かぶだろう。護衛任務についてから十か月が経過している。その間、危険を感じることはなかった。屋敷の外を見張っている仲間たちが怪しい動きを見つけることもなかった。 平日の昼間はプリム…

災厄の神の落し子 第65話 必然の再会

帝国騎士養成学校で関係者以外が観戦できるイベントは年に二回ある。ひとつは秋の体育祭。今年はすでに終わっている。残る一つは三年生の卒業イベント。帝国騎士団との模擬演習だ。 三年生全員、およそ百五十名と帝国騎士団の同数が正面から戦う模擬演習。実…

災厄の神の落し子 第64話 迷い

本来、騎士養成学校は帝国騎士団の騎士候補、従士を養成する為に設立された。だが今の騎士養成学校は私設騎士団の為に存在すると言っても過言ではない。シュライクのように高度な騎士教育を受ける為に騎士養成学校に入学する者もいれば、より良い条件で私設…

災厄の神の落し子 第63話 当事者が知らない事実

騎士養成学校の授業が終わった放課後。いつもであれば急ぎ、居候させてもらっているエセリアル子爵屋敷に帰るローレルなのだが、今日はリルを先に帰らせて残ることになった。帰宅を許さない人たちがいたからだ。トゥインクル、グラキエス、ディルビオの三人…

災厄の神の落し子 第62話 気まぐれに翻弄される人々

帝国の重臣会議。定期的に行われている会議だが話し合うことは沢山ある。問題は山積みなのだ。だがどれだけ話し合いを重ねても、ほとんどの事柄は結論が出ないままに次回に持ち越しとなってしまう。問題は認識している。だがこれがベストだという解決策がな…

災厄の神の落し子 第61話 お忍び、その二

アークトゥルス帝国に国教はない。宗教団体が存在していないわけではない。だが、いくつかある宗教団体のどれもが帝国政治に影響を与えるほどの勢力を持っていないのだ。帝国も特定の宗教団体に肩入れする理由がない、というか出来ない。 帝国統治下となった…