月の文庫ブログにて掲載している小説の一覧です。話数が増えてくると、ブログ形式では第一話を探すのが面倒かと思って、このページを用意してみました。 ※2019年11月20日「全話一覧」へのリンク追加 少しずつですが掲載小説は増やしていきたいと思っています…
油断。今の状況に陥った原因は何かと問われれば、この言葉が思い浮かぶだろう。護衛任務についてから十か月が経過している。その間、危険を感じることはなかった。屋敷の外を見張っている仲間たちが怪しい動きを見つけることもなかった。 平日の昼間はプリム…
帝国騎士養成学校で関係者以外が観戦できるイベントは年に二回ある。ひとつは秋の体育祭。今年はすでに終わっている。残る一つは三年生の卒業イベント。帝国騎士団との模擬演習だ。 三年生全員、およそ百五十名と帝国騎士団の同数が正面から戦う模擬演習。実…
本来、騎士養成学校は帝国騎士団の騎士候補、従士を養成する為に設立された。だが今の騎士養成学校は私設騎士団の為に存在すると言っても過言ではない。シュライクのように高度な騎士教育を受ける為に騎士養成学校に入学する者もいれば、より良い条件で私設…
騎士養成学校の授業が終わった放課後。いつもであれば急ぎ、居候させてもらっているエセリアル子爵屋敷に帰るローレルなのだが、今日はリルを先に帰らせて残ることになった。帰宅を許さない人たちがいたからだ。トゥインクル、グラキエス、ディルビオの三人…
帝国の重臣会議。定期的に行われている会議だが話し合うことは沢山ある。問題は山積みなのだ。だがどれだけ話し合いを重ねても、ほとんどの事柄は結論が出ないままに次回に持ち越しとなってしまう。問題は認識している。だがこれがベストだという解決策がな…
アークトゥルス帝国に国教はない。宗教団体が存在していないわけではない。だが、いくつかある宗教団体のどれもが帝国政治に影響を与えるほどの勢力を持っていないのだ。帝国も特定の宗教団体に肩入れする理由がない、というか出来ない。 帝国統治下となった…