月の文庫ブログ

月野文人です。異世界物のファンタジー小説を書いています。このブログは自分がこれまで書き散らかしたまま眠らせていた作品、まったく一から始める作品など、とにかくあまり考えずに気の向くままに投稿するブログです。気に入った作品を見つけてもらえると嬉しいです。 掲載小説の一覧(第一話)はリンクの「掲載小説一覧」をクリックして下さい。よろしくお願いします。 

更新!「月の文庫ブログ」掲載小説一覧

月の文庫ブログにて掲載している小説の一覧です。話数が増えてくると、ブログ形式では第一話を探すのが面倒かと思って、このページを用意してみました。 ※2019年11月20日「全話一覧」へのリンク追加 少しずつですが掲載小説は増やしていきたいと思っています…

竜血の玉座 第38話 聖仁教会

メーゲリング王国最大都市、王都ドラッケングラブ。王が住まうお膝元のその街で、暗部とされている場所がある。貧民窟、今日の暮らしにも困るような貧しい人々が集まっている場所だ。 犯罪者の巣窟でもあったその場所だが、近年はかなり様子が変わってきてい…

竜血の玉座 第37話 戻れない過去

ハインミューラー家のヴィクトール公子がツェンタルヒルシュ公国を訪れたのは、以前から計画していたからではない。王都に滞在している間にいくつか疑問が生まれ、その疑問を解くにはツェンタルヒルシュ公国の公主であるクレーメンスに話を聞くのが良いかも…

竜血の玉座 第36話 天秤

見上げる空には青空が広がっている。真っ青な空に浮かぶ白い雲。のどかと表現できる光景だ。それを眺めて、ソルは体の中を流れる血を落ち着かせていた。 空の下、訓練場には「のどか」とは真逆な雰囲気が漂っている。強弱はあるが人々から放たれている殺気が…

竜血の玉座 第35話 実力試し

反乱勢力として捕らえられた人たち以外にも裁かれる者がいる。ソルだ。戦場で、上官の命令がないというのに、勝手に行動を起こしたということで、軍令違反を問われることになったのだ。その結果、敵首謀者を討ち取ったとしても、罪がなかったことにはならな…

竜血の玉座 第34話 行きつく先は

任務を終えて、近衛特務兵団は王都に戻った。全体の三割を失うという、ルシェル王女にとっては、衝撃的な結果となっての帰還だ。王国軍全体で考えても、間違っても少ないとはいえない犠牲者の数となった作戦の是非は今後、軍内部で検証が行われることになる…

竜血の玉座 第33話 無意味な戦い

王国軍と反乱勢力の再戦は三日後に開始された。敵戦力を把握し、それに対応して戦うための準備にその期間が必要だったのだ。準備は特別難しいものではない。運んできた攻城兵器を組み上げ、少し耐火対策などの補強を加えるだけ。それで戦えるとルッツ司令官…