月の文庫ブログにて掲載している小説の一覧です。話数が増えてくると、ブログ形式では第一話を探すのが面倒かと思って、このページを用意してみました。 ※2019年11月20日「全話一覧」へのリンク追加 少しずつですが掲載小説は増やしていきたいと思っています…
白夜の怪我は完治している。出血や傷の深さの割に体の奥のダメージは少ない。そうなるように攻撃を受けたおかげではあるが、回復力の異常さも化物(ケモノ)の能力だ。生まれ持った力ではない。魔力の活用とそれを怪我からの回復に作用させる術を知っている…
鳳凰国皇帝が住まう帝城のすぐ近くに帝国軍施設はある。帝城を中心に、東に位置するのが第一軍の施設。西が第二軍で南が第三軍といった配置だ。北にも、帝国軍移設に比べるとかなり規模は小さいが、皇帝の護衛を務める近衛武士団の施設があり、帝城の四方を…
鳳凰国の軍、帝国軍の統帥権は皇帝にある。実際に皇帝が軍を率いて出陣したことなど、今の時代の人では答えがすぐに浮かばないほど、遠い昔のことだが、建国以来、それは変わっていない。軍の統帥権だけでなく、すべての最高権限は皇帝が持っている。政治も…
白夜は翌日から早速、部屋の改装に取り掛かった。軍の仕事は休み。さぼりではない。任務中の負傷ということで公傷扱い。治るまで休みをもらえるのだ。 改装は思いつきで始めるには大変な作業だった。まず材木屋に行って、大きな板を購入。それを家まで運ぶだ…
任務の帰り道は行きとは別ルート。里がある小さな盆地から西に向かって、山を三つ超える。行きよりもかなり険しい道のりを進むことになったが、山を超えてからは楽だった。行きに下った川の上流に出て、船で下れば、そこは帝都のすぐ近く。日数としても短か…
第十特務部隊は任務の為に帝都を発った。白夜にとっては初任務。入隊して一週間での出動だ。怪しまれる何かがあったわけではない。新入隊員も同行させるように、という命令が発せられた結果だ。白夜の知ったことではないが。 任務地へは船で川を下って海に出…